験レポート『汲出し葉編』
〜田村家の極厚・肉厚湯葉は仕込みを入れて15時間以上掛かります。この生湯葉ができるまでを験リポートしちゃいました。〜
田村家

 は10月、場所は横浜駅から徒歩5分、田村家豆腐店。ここは毎日、前日に仕込んだ大豆を、朝4時から[大豆⇒豆乳(+おから)⇒湯葉・豆腐など]と言う行程で作り続けて80年になる老舗なのです。

材料
 湯葉の原材料大豆だけ…とてもシンプルなので、大豆の味がダイレクトなのですね。

 使用の大豆は…

 

【大豆】新潟県産エンレイ大豆(越路娘)
  良質たんぱく質凝縮された畑の真珠と言うべき『新潟県産エンレイ大豆』の中でも更に『大粒』の検査証明を受けた高級大粒大豆(通常の2倍)を使用。豆乳本来の濃厚さ以前に大豆そのものの濃厚さがとても高い品種で、それをありえないほどたっぷり使って、贅沢に仕上げます。

【水】フレッシュミネラルウォーター
 その大豆を前日から浸漬するは、古来より港町横浜で世界の船乗り達に『赤道を越えても腐らない水』と賞賛された山梨県の大渓流『道志川(↑画像参照)』を水源とした水です。これを更に超純度フレッシュミネラルウォーター化します。この水のお陰で、鮮度が高く、雑味なく、大豆によりふくよかまろ味を加えます。

開始


 

 ・・・おーまいがっ!! 朝4時・・・まだ真っ暗なのに…お仕事開始です。
 まずは前日仕込んだ豆の状態の確認から…
 そして、次に各器具の消毒です。大変ですが消毒薬ではなく加熱殺菌で安全に行います。

石挽

  

 十分に水を含んだ大豆を、石臼(↓20年以上使用)で粉砕し、圧力鍋で煮ます。そして豆乳とおからに分けます。
大豆の良い香りが、店中に広がってきましたよ〜
             

豆乳

  

 最後は手搾り仕上げ。
 特濃の搾りたて豆乳が採れました。色はクリーム色。そう、大豆の色そのものですね。

 そして、この豆乳を使って、いよいよ、汲み上げの生湯葉を作りますよ〜




湯葉用鍋(扇風機付き)のセット  ⇒  特濃の朝搾り豆乳を注ぐ  ⇒  表面の泡をすくってやる

 まずは鍋(直径25cm)のセッティングから・・・(丁寧に作るため、全て手仕上げですよ。)
 表面の泡は湯葉の大敵。量産店は『消泡剤』(泡消しとも言う)と言うものを添加して泡を抑え、表面を泡の無いキレイな状態にして、量産します。
 が、当店では写真の通り、手ですくう一手間を惜しまず、消泡剤の使用を控えています。
 とても愛と手間をかけているのですね・・・

引用
 因みに、愛読書『講談社:料理材料大図鑑Marche』を引用しますと…

 …湯葉を取る為の豆乳は高たんぱくの豆を用いて濃く作ったもので、これを加熱してできた薄膜が湯葉。大豆のや引き上げるタイミングにより品質に差が生じ、風味甘味が異なってくる。…との事。


【大きさは直径25cmのボリューム。山吹色して見た目も濃厚でしょう】

湯葉

1   ← 11:50湯葉とり開始
2   ← 12:00湯葉張り始め
3   ← 12:20湯葉鍛え始め
4   ← 12:50湯葉汲上げ時

 当店の特徴は、しっかりとした味のある湯葉を作ること。だから、湯葉が張ってもまだ我慢。そのまま長時間鍛えると、どんどん厚みがでてきて、鍛え続ける事、約1時間。この一枚を取るのに1時間の時間がかかるなんて、とってもぜいたく品ですね〜

引用
 またまた、『料理材料大図鑑』を引用…

 なになに…上質の引き上げ湯葉は引き上げてすぐに重ねて豆乳を塗り、乾燥を防いである。日持ちはしない。…なるほど。

 【ピンぼけですが、タイミング来たら、ささっと汲み上げるの図】


汲上

1     2 
3     4 

 田村家の手順と全く同じですね。因みに、引き上げる時、蓋となっていた湯葉が無くなった事で、一斉に湯葉に閉じこめられた豆乳の香ばしい風味漂いなんとも良い香りでした。

 あとあと、3を見て下さい。こんなにつまみあげても破れる気配すらない・・・流石、極厚肉厚の名前を冠するだけの事はありますね。ヨソでこんな湯葉売ってるの見たことないし・・・それが田村家の自慢だそうです。

実食

 
ラジオ日本取材時もレポーター様にご試食頂きました。↑レポーターの右手が湯葉。

 実食

 山吹色で見るからに厚みのある湯葉は、からめた豆乳が溢れるくらいジューシーで、視覚的にも食欲をそそります。

 そして口に入れると、まず、じわ〜っと豆乳が口に広がり、豆乳ってこんなに甘味を感じるんだ。って言うのが第一印象。次の瞬間に濃厚な旨味が舌の上で柔らかく広がってきます。

 食感は、とてもコシがあり讃岐うどんのよう。間違いなく今まで食べた事の無い湯葉の食感。そして、そのコシのある湯葉をめばむほどあま〜い豆乳がにじみ出てきて、湯葉本来のきめ細かく、滑らかな舌触りを残して絶妙な口どけとなります。

 野暮ったいくらいワイルドな田舎湯葉を想像していましたが、京湯葉のイメージ以上に上品で、繊細で、洗練されたきめの細かい味です。
 それでいて見事に素材の味、旨味を残しているのが分かります。グルマンに納得頂けるレベルですね。

 食欲はとっても単純なので、おいしいものを食べるとそれだけで満たされてしまいます。

 とってもベタですが、『ああ、これが湯葉本来の味なんだなぁ』と感じずにはいられませんでした。

 ここで、一度、思考停止状態になりつつも、体験レポートを皆様にご報告する。と言う使命から何とか復活し、更に欲張りに、これを田村家の『特製お出汁』につけて2口目(まだ2口目だったとは・・・)。

 ・・・おいしい。何と、このお出汁が湯葉の甘味更に引き立たせているではありませんか。湯葉は何故か良くわさび醤油で食べられていますが、こうやってお出汁で食べると、なんでわさび醤油なんかで食べていたんだろうと、目からうろこです。

 それにしても、湯葉がこれだけ大豆の甘味旨味顕著に引き立てる食材だったとは…創業以来80年、まだまだ、勉強させられる事が多い事を思い知ります。

最後に


 先日、ある女性が『湯葉は無味無臭』とおっしゃってましたが、湯葉は豆乳の表面の水分を蒸発させ凝縮した膜ですので、大豆の味も香りも最高に凝縮された食材です。
 残念ですがその方は、京湯葉というブランドでおいしくない湯葉を食べ続けていたのでしょう。それはとても残念ですが、比して当店の湯葉は最も原点に近い湯葉に仕上げております。

 私は、どうしても皆様に、特に、湯葉なんかきでもいでもないなんて仰る方々に食べて頂きたいと思いました。当店の湯葉を食べて頂ければ必ず、違う意見が出るはずです。

 誠に私見ながら、湯葉は豆乳の味、いや、大豆の味を最も引き立てる調理方法であると断言します。

 店舗でお客様が、田村家の豆乳飲んだら他のが飲めなくなっちゃって・・・なんて日に1回くらい言われますが、湯葉でもそのように言って下さる方が増えます事を確信しています。

 以上。体験レポータ、Web担当田村亮でした。稚拙な文章ながら、最後まで読んで頂いた方、大変ありがとうございました

PS
 因みに、この体験レポートの生湯葉は、こんな感じのセットでお試し頂けます。

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